2008-02-04

The Structure of Collaborative Tagging Systems - 1

ABSTRACT
協同タグ付けとはキーワードを書き入れる形で、大勢の利用者が共有している情報内容に対してメタデーターを付けることを指している。現在、ブックマークや写真などといったコンテンツに対してタグ付けのできるWebサイトでは、協同タグ付けは一般的になりつつある。この論文では協同タグ付けのシステムの構造に加え、その力学的側面について分析をする。特に、この研究を通して、利用者の活用、タグの頻度、使われるタグの種類、そしてブックマークに於いての突発的な人気の規則を発見できると同時に、一つのURLに関係するタグの割合の注目すべき安定度をも見いだせる。また、それらの安定したパターンを再現や共有された知識情報に関連づけし、予測することの出来る協同タグ付けの力学モデルを提示する。

KEYWORD LIST
協同タグ付け、フォークソノミー(folksonomy)、Del.icio.us、ブックマーク、Web、共有

1. INTRODUCTION
キーワードやタグなど、テーマによって内容を印づけることは、フィルタリングや検索と言った現代的な情報活用のための一般的な分類手法である。この方法でデジタル情報の分類をすることは目新しいことではないが、これを協同的に行うことは支持者から「tagging」というふうに名付けられ、Webでは人気を得ている。

書類の保管所やデジタル図書館は保存している書類に対して、しばし指定されたキーワードによって分類している。しかし、伝統的な分類や目録の作成は司書などの一人の専門家によって行われる。あるいは、書類の著者が示している資料に由来している(Rowley 1995)。概要で述べたように、協同タグ付けは誰でも(特に利用者)自由にキーワードやタグを内容に付け加えることが出来る。協同タグ付けは「司書」の役割を果たす者が存在しないところ、あるいは単純に一人の専門家が分類するには量がありすぎるといったところでとても有用である。協同タグ付けが一般化したWebではこれらの状況がどちらも当てはまる。

この種の協同タグ付けは、意味論的なウェブ形而上学への現在の努力に、面白い選択肢を提供している(Shirky 2005)。以上のことがいくつかのグループの研究対象になっている(e.g. Doan, Madhavan, Domingos & Halevy 2002)。

現在注目されているWebサイトの多くは協同タグ付け機能を特徴としている。典型的には、タグを公開させ、内容を共有させているサイトでは、ユーザーは情報を自分のために分類することができるだけでなく、他人の分類した情報を拾い読みすることができる。従って協同タグ付けシステムには個人的と共通的な両方の側面が同時に存在する。いくつかのサイトでは、協同タグ付けはフォークソノミー(folksonomy)として知られている。これは「人々の(folk)分類法(taxonomy)」を短縮した単語である。しかし、この呼び方については適切かどうかの議論があるので(Mathes 2004)、ここでは使用を避けることとする。

私たちが分析したDel.icio.us というサイトは、共有のブックマークに協同タグ付けを許している。Yahoo の My Web でも同様にこれをやっており、CiteULike とConnotea は学術の出版物の文献紹介を作るのに同じ方法をとっている。いくつかのサービスが利用者にタグを使わせているが、内容だけを所持している。例えばFlickerは写真を、Technoratiはブログを。(タグ付けは協同ではない)この両サイトは厳密には協同タグ付けをしていないが、これらを話しに出したのは多様なメディアでのタグ付けの成熟度を説明するためである。

この論文では協同タグ付けのシステム構造に加え、その力学的側面について分析をする。特に、この研究を通して、利用者の活用、タグの頻度、使われるタグの種類、そしてブックマークに於いての突発的な人気の規則を発見できると同時に、一つのURLに関係するタグの割合の注目すべき安定度をも見いだせる。また、それらの安定したパターンを再現や共有された知識情報に関連づけし、予測することの出来る協同タグ付けの力学モデルを提示する。最後では協同的にな発生システムのユーザーの発展的なデーターの活用法に関する考察をもって締めくくる。

0 件のコメント: